こんにちは!
最近投資界隈ではレバナスという言葉をよく見かけます。
レバナスはレバレッジNASDAQの略称です。
楽天から2021年の11月に新商品としてレバナスが発売されたので、一体どのような商品なのか解説していきます。
結論
最初に商品について要約すると
- 楽天レバナスはNASDAQ100の二倍の値動きを目指す高リスク商品
- そのため、大学生など初心者には向いていない
- レバレッジ商品は上昇局面では強いものの、その他の局面ではあまり強くないため、つみたてや長期投資との相性はイマイチ
- 信託報酬手数料はレバレッジではない商品よりは高いものの、同種のiFreeの商品(0.99%)より低い0.77%
レバナスって何?
上述した通り、レバナスとは
レバレッジをかけたNASDAQの略です。まずそれぞれの用語について説明していきます。
レバレッジって?
レバレッジとは、テコの原理の「テコ」を表す単語で、少ないお金で沢山の商品を取引することを言います(その様子がテコの原理と同様であることが語源です)。
例えば1000円を出して、2000円分の商品を購入した場合、2倍のレバレッジをかけたと言います。
要約すると、少ない資金で、沢山の取引ができる仕組みです。
NASDAQって?
NASDAQは米国の株式市場の一つで、アメリカの新興企業向けの市場です。
新興企業向けとはなっているものの、実際にはGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの五社。IT界のトップ企業)が上場しているなど、信頼性の高い企業が多いです。
日本ではアメリカのNASDAQに該当する市場として、マザーズやJASDAQがあります。
結局レバナスとは?
NASDAQでは複数の指標があるのですが、そのうちの一つにナスダック100指数という指数があります。
これは大まかに言えば、NASDAQの中から金融企業を抜いたものから、時価総額が最も高い100社を対象とした指数です。
有名企業としてはGAFAM、インテル、スターバックス、トリップドットコムなどがあります。
そしてレバナスはナスダック100指数と連動する商品です。
しかし、ただ単に連動するだけではなく、「指数の二倍の値動きを目指して」連動します。
つまり、例えば指数が100→110→121→132→…と1.1倍ずつ増えていった時、
レバナスは100→120→144→173→…と1.2倍ずつ変動していきます。
レバナスの特徴
上述した通り、レバナスは普通のNASDAQ100とは異なる動きをします。それ故の特徴が一点あります。それは上昇局面に強いが、その他の局面に弱いというものです。それぞれの局面について見てみましょう。
上昇局面での動き
これは容易に想像しやすいと思います。
仮に毎月1%ずつ上昇する相場があるとして、元金1000円がどのように増えていくかをレバレッジありとなしで比較したのが下のグラフです。
ご覧の通り15ヶ月で150円相当(15%分)の差が生じています。
このように上昇局面ではレバレッジは非常に有効です。
下降局面
これも容易に想像できると思います。
上昇局面で生じたことと真逆のことが起きるので、想像以上の暴落が生じます。
実際楽天レバナスも2022/1/4に10,135円だった基準価格(投資信託の値段)を2022/1/26にはたった三週間で7,410円に落としました。
下落率で言えば約27%の下落です。初心者であれば、この下落に耐えられないということも考えられますから、レバナスは初心者向きではないと言えそうです。
横ばいの局面
意外に思われるかもしれませんが、レバレッジ商品は横ばいの局面(株価が上がったり下がったりする)に弱いです。
具体例を下で考えてみます。日毎に10%あがる、10%下がるを繰り返す場面があったとします。その時の値動きは以下の通りです。
10%上がる、下がるを繰り返すと、徐々に価格は下がるのですが、15ヶ月後に、レバレッジ無しの場合は932円で落ち着くのに対し、ありの場合は751円まで下落します。
この弱さはレバレッジをかけることによる大きなデメリットの一つと言えます。
楽天レバナスと他の商品の比較
楽天レバナスは楽天が販売しているレバナスの投資信託です。
レバナスはどの商品でも基本的に同様の値動きをしますので、特段これといった特徴はありませんが、手数料などで少し差があります。
iFreeレバレッジ NASDAQ100と楽天レバナスの比較
大きな違いとして、iFreeは信託報酬手数料が年0.99%であるのに対し、楽天レバナスは年0.77%であるという点が挙げられます。
楽天レバナスは後発商品なので、iFreeとの差別化を狙ったものだと思われます。
類似ETFとの比較
似ているETFとして、TQQQがあります。TQQQはETFの一つですが、
- 投資信託ではなく、ETFである
- NASDAQ100の三倍の値動きを目指している点
- 手数料が年0.95%
という点で異なります。また現状、日本の証券会社での取り扱いはあまりないので、メジャーなETFではないと言えると思います。
他には、NASDAQ100に直接連動する(レバレッジがかかっていない)QQQという非常に有名なETFも存在します。
ETFと投資信託の違いについてはこちらを参照してみてください!
その他注意点
その他の注意点として、つみたてNISAの枠では購入できないことが挙げられます。
こちらのサイトで解説したとおり、つみたてNISAは金融庁が認めた比較的リスクの小さな商品のみが対象になっています。
そのため、高リスクであるこの商品はつみたてNISAの対象外となっています。
なお一般NISAでは購入することが可能です。
まとめ
以上楽天レバナスについて説明をしてきました。
繰り返しになりますが、長期投資やつみたて、また初心者には向いていない商品であると考えられます。
そのため、余剰枠などで余裕を持って購入することが大切になりそうです。
また比較的初心者向きである、株の現物取引についてまとめたページがあります。実際にFacebookの株を買ってみましたので、ぜひご覧ください。
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